閉館後の展示室にだけ降りるという深い青を描いた連作の一枚。塗り重ねられた群青の奥に、うっすらと昼の残光が透けて見える。
街灯の光が硝子窓で砕ける瞬間を、直線と円弧のみで再構成した作品。秩序の中に一箇所だけ置かれた歪みが、夜の体温を伝える。
満ち欠けする月をひと月ぶん、ひとつの画面に閉じ込めた記録画。円環はやがて庭園の飛び石のように連なり、時間そのものが風景になる。
音の消え際を可視化しようとした試み。滲む帯は残響の減衰曲線であり、同時に明け方の霧でもある。見る者の記憶によって像を変える。
水平線に立つ一条の光を、緞帳のような夜の海が受け止める。連作の最後に置かれたこの絵で、観客はふたたび入口へと還っていく。